経口補水療法って知ってますか?

経口補水療法(oral rehydration therapy)とは、脱水症の改善及び治療を目的として水・電解質を経口的に補給する治療方法である。


WHO は脱水を有する患者が腸管から効率よくナトリウムと水分の吸収ができるナトリウムとブドウ糖の濃度を調整した経口補水液(ORS)の使用を推奨している。


とあり、かの南方先生もコレラ退治に使用した治療法ですね。

JIN-仁- 1巻292ページ参照


さらに、経口補水液(ORS:oral rehydration solution)とは、最も効率よく Na+と水の吸収が行われるよう調整したもので、その濃度比はNa+とブドウ糖のモル濃度比(モル) =1 : 1~2 程度と言われています1)。また血清浸透圧(280~290mOsm/kg)よりも低値であることが小腸における水・電解質吸収には優れており2) 、推奨されています。



OS-1、アクアソリタ、アクエリアス経口補水液はその基準に合致しているため、どれを買うのか迷った時にはこれらを選ばれたら良いでしょう。



ちなみに医療用医薬品としても経口補水液があるのを知ってましたか?



ソリタ-T配合顆粒です。

学生実習で輸液の方はよく触る機会があったのですが顆粒があるのを知ったのは薬剤師になってからでした。



2号がオレンジ様、3号がアップルソーダ様の香りとなっています。味はほとんどないですが風味は感じることができます。私個人の感想としましてはOS-1より味気ない感じがしましたが、あの味が苦手な方なら飲みやすいかもしれません。

組成は以下の通りです。

ソリタ-T配合顆粒インタビューフォームより



また「小児急性胃腸炎診療ガイドライン2017年版」では、欧米の勧告レベルに合致するORSはソリタ-T配合顆粒2号とあり、3号が合致しなかったのはNa+が少ない為だと思われます。



しかし小児の場合この塩味の違いにより味覚に起因するアドヒアランスの問題もあり、また両者を厳密に比較したRCT もないため ORS の組成の違いに関してはどちらが良いかは一概には言えなさそうです。



参考資料

1) Santosham et al.1982

2) Hunt et al.1992

谷口英喜 日生気誌 52(4):151-164,2015

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